エネルギー代謝の基礎を理解しよう

エネルギー代謝について

私たち人間は、食物を食べ、体内で消化吸収し、エネルギー源となる
栄養素「タンパク質」「脂質」「炭水化物」からエネルギーを産生し、
生命活動を行っています。

まずは、摂取した「タンパク質」「脂質」「炭水化物」が
どのようにしてエネルギーに変わるのかを理解しましょう。

炭水化物は糖質食物繊維の総称ですが、エネルギーになるのは
糖質なので、以下の説明では「糖質」という言葉を使っていきます。

人間は、体内のエネルギーであるATP(アデノシン三リン酸)
食べ物由来の「タンパク質」「脂質」「糖質」から生成したり、
体内に貯蔵している筋肉や脂肪細胞やグリコーゲンを分解し
生成しています。

エネルギー代謝概略図

こちらが、エネルギー(ATP)産生の概略図です。

かなり簡素化して描いていますのが、エネルギー代謝の
重要なポイントは理解できるように解説します。

青の枠で囲ったものが、糖質を分解してエネルギーを
産生する過程で生じる物質、オレンジの枠で囲ったものが、
脂肪を分解してエネルギーを産生する過程で生じる物質
のイメージで作成しています。

脂質」が代謝される過程で、「糖質」が代謝される
過程に合流するのが分かると思います。

この図では示していませんが、「タンパク質」の代謝に
関しても、タンパク質が分解して生じる「アミノ酸
から生じる物質が、この代謝系に合流することになります。

エネルギー代謝の全体図を把握し理解しましょう!


糖質のエネルギー代謝

図のように、エネルギー代謝は大きく
解糖系」「クエン酸回路(TCA回路)
電子伝達系」の3つの過程からなります。

解糖系は、グルコースが分解され、様々な物質
を経てピルビン酸を生じるまでの過程です。

クエン酸回路(TCA回路)はアセチルCoAオキザロ酢酸
から生成されたクエン酸が様々な代謝により、
様々な物質を経てオキザロ酢酸を生じ、再びアセチルCoA
結合しクエン酸が生成されるという代謝のループの部分です。

電子伝達系は、クエン酸回路(TCA回路)で生じたNADH
FADH2から、水素の酸化が段階的に起こり、酸素と結合し
代謝水を生じるまでの過程です。

それぞれの過程でどの程度エネルギーが産生されるかについては、

ここから、「解糖系」「クエン酸回路」「電子伝達系
について詳しく説明していきます。

解糖系

まず、食事で糖質を摂取すると分解され、最終的に糖質の
最小単位である単糖類まで分解されます。

ここでは単糖類の1つである「グルコース」の代謝を
例に説明します。

グルコースは数々の物質を経てピルビン酸まで代謝されます。

エネルギー図の概略図では両矢印で表している通り、
過程の物質同士はどちらの方向にも反応することが、
できるので、エネルギーの産生を調節しています。

例えば、体がエネルギー不足を感じたら、ピルビン酸を
生じる方向へ進みエネルギーをどんどん生成する。

逆にエネルギーが過剰だったら、糖質の貯蔵物質である
グリコーゲン」を生成する方向に進んだりします。

しかし、いくつかの反応では、逆の反応ができない
部分があります。もしくは、単純に逆反応ではなく、
別の方法で戻るものもあったり、この点に関しては
かなり複雑で、難しいのでまたの機会に
解説できればと思います。

クエン酸回路

解糖系で生じたピルビン酸アセチルCoAに代謝され、
アセチルCoAオキザロ酢酸と結合し、
クエン酸を生じてクエン酸回路(TCA回路)に入ります。

クエン酸はこの回路内で、様々な反応を経て、
オキザロ酢酸を生じます。

この反応の過程で、エネルギーであるATPを生成し、
電子伝達系で用いるNADHFADH2を生じます。

生じたオキザロ酢酸は再びアセチルCoAと結合し
クエン酸を生じるので、繰り返されて代謝されます。

電子伝達系

電子伝達系は、クエン酸回路で生じたNADHFADH2から、
水素の酸化が段階的に起こり、そこでATPが生じ、
最終的には酸素と結合し代謝水を生じて、
一連の代謝が終わります。

この電子伝達系で、1個グルコースから34個ATPを生じる
ことができるので、非常に大きな反応といえます。

ですが、この反応に必要なNADHやFADH2は
クエン酸回路が回らないと生成されませんし、
クエン酸回路を回すためには、解糖系ピルビン酸
生じアセチルCoAを生成しなければなりませんので、
エネルギー代謝はセットで考える必要があります。

脂質のエネルギー代謝

次に、脂質のエネルギー代謝について説明します。

脂質は分解されると、「グリセロール」と「脂肪酸」に
分解されます。これは、逆反応もあるので、
グリセロール」と「脂肪酸」から脂質合成されます。

グリセロールとは3価のアルコールで、脂質においては
トリアシルグリセロール」「中性脂肪」ともよばれます。

グリセロールは「グリセロール-3リン酸」「ジヒドロキシアセトンリン酸
を経て、解糖系に入り込み、ピルビン酸に代謝されます。

脂肪酸はβ酸化とよばれる代謝を経て、「アセチルCoA」に
代謝され、クエン酸回路へと進みます。

これらの代謝の過程は逆反応もある平衡反応であるので、
エネルギーが過剰で産生する必要のない場合は、
例えば、アセチルCoAが過剰の場合は、アセチルCoAは
ケトン体」を合成したり脂肪酸を合成する量が増えます。
増えた脂肪酸は、グリセロールと結合し脂肪として蓄積される
ことになってしまいます。

糖質と脂質の代謝経路はスタートは異なっていても、
いずれ合流するので、糖質を食べ過ぎてエネルギー過剰
の状態になると、グリコーゲンとして貯蔵されますが、
グリコーゲンの貯蔵量には限界があるので、アセチルCoA
が増え、脂肪酸が合成され、脂肪として蓄積してしまうので、
太ってしまうということになります。

タンパク質の代謝

タンパク質は分解されるとアミノ酸という物質に代謝されます。

アミノ酸は20種類あり、それぞれがさらに分解されると、
これまでに説明した、代謝系の中間物質に変換され、
代謝されることになります。

例えば、「ロイシン」というアミノ酸は、分解されると
アセチルCoAになり、クエン酸回路脂肪酸合成に進みますし、

アラニン」というアミノ酸は、分解されると解糖系
中間物質のピルビン酸に代謝されます。

グルタミン酸」というアミノ酸が分解されると、
α-ケトグルタル酸」というクエン酸回路の中間物質になります。

このように、それぞれのアミノ酸が、エネルギー産生に関わる
物質に代謝され、エネルギー(ATP)を産生することに
なります。

よって、食事を極端に制限して、エネルギー源である
タンパク質・脂質・炭水化物の摂取量が少ないと、
貯蔵している体脂肪やグリコーゲンからも
エネルギーは産生しますが、筋肉中のタンパク質から
アミノ酸も分解され、筋肉量が減り代謝が下がって
しまいます。

エネルギー代謝のまとめ

この記事では、3大栄養素である「タンパク質」「脂質
炭水化物」からエネルギー(ATP)を産生する過程に
ついて説明してきました。

ダイエットやボディメイクにおいて、
栄養素の代謝を理解することは非常に大切です。

この基礎をしっかりと理解することで、
なぜ糖質制限でやせるのか?
なぜ食べないと筋肉が落ちるのか?
食事回数は多い方がいいのか?
など、ダイエットに関する情報を
きちんと理解することができます



NO IMAGE